Miyako Ikeda

エッセイ

すしのてんぷら(「甘口辛口」新潟日報 2008.9.17掲載)

沖縄でアメリカ人に人気のすし屋に行った。子供をつれた家族、友人同士のグループなどアメリカ人でにぎわっていた。彼らにとってはニッポンのファストフード。何品か注文し、デザートを食べさっと引き上げていく。まるでハンバーガーのような食べ方だ。 「握...
エッセイ

神様の朝ごはん(「甘口辛口」新潟日報 2008.9.15掲載)

浜降(はまおり)祭と言うお祭りがある。 神奈川県寒川町と茅ヶ崎市の38の神社から神輿(みこし)が浜に担ぎ出され、禊(みそぎ)をする夏のお祭りだ。深夜1時ごろ、あちこちの神社から神輿が海へ向けて出発する。夜明けとともに浜辺に神輿が次々と到着し...
エッセイ

おばあとテビチ(「甘口辛口」新潟日報 2008.9.11掲載)

沖縄へスケッチに出かけた。真夏ではなかったが晴天続きで暑さに疲れ、食欲もなくなり、市場の食堂で沖縄そばをすすっていた。沖縄そばは、そば粉ではなく小麦粉で作るコシの無いそばで、骨付き豚が入っていたり、煮た三枚肉やかまぼこがのっていたりする。店...
エッセイ

イナゴの会(「甘口辛口」新潟日報 2008.9.10掲載)

O子に「H子とG子がイナゴ(食べつくす)の会を作った」と教えられた。O子は食通で料理上手。O子の料理は独創的で、田芋(沖縄の芋)のから揚げと柿を併せ、クレソンとベーコンで味をつけるなど、思いがけない食材の組み合わせが絶妙な味を生み出す。その...
エッセイ

エリザベスとピーコ(「甘口辛口」新潟日報 2008.9.9掲載)

小学生の頃、縁日でヒヨコを買ってもらった。家の中で飼っていたのに、ネコに襲われてしまった。1羽生き残ったピーコも重傷だったが、妹が手当てをし、回復させた。 家族みんなでピーコの回復を喜んだ何週間か後、どういう理由からか、郊外に住む知り合いの...
エッセイ

またたびの酢漬け(「甘口辛口」新潟日報 2008.9.8掲載)

家族旅行のにぎやかな思い出とともに舌によみがえる味がある。「ままたびの酢漬け」の味だ。 夏か初秋の奥只見へ行ったときのことだ。ドライブインのアユの塩焼き定食に「またたびの酢漬け」が添えられていた。母がカリカリした食感を気に入っておいしいと言...
エッセイ

私の胃袋(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.15掲載)

最近、考古学の世界を垣間見る機会に恵まれた。私の住む土地で掘り出されるのは、縄文土器から昭和のガラスビンまで様々だ。 その遺物から泥を落とし形や大きさを測り、製造過程や使用時の痕跡を探し出す。地道だが、小さな仕事の集積から、ある時代の人々の...
エッセイ

スペイン人の胃袋(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.14掲載)

国立西洋美術館で「プラド美術館展」を見た。豪華な衣装の肖像画に混ざって食ベものを描いた絵がある。キツネ色に焼かれたパン、果物、狩りでしとめたカモや皮をはがれたウサギ、解体したシカなどが描かれている。食欲を刺激するために食堂にかけたのだろうか...
エッセイ

好き嫌い(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.13掲載)

思いもかけない食べものが苦手だと言われて戸惑うことがある。 その一つが「梅」だ。ある友人は梅味のものがすべてだめだそうだ。梅のガム、アメ、お茶漬けにおにぎり、和菓子。 それから甘いものがとにかく嫌いという女性もいる。女どうしが集まる時甘いお...
エッセイ

漠大海(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.12掲載)

先日、漠大海(ばくだいかい)という食べものを知った。ある店でみょうがと一緒に刺身のつまに盛られていた。珍しいので卓上の話題になり、女将に教えられた。 中国の伯樹(はくじゅ)の実を熱いほうじ茶に三十分ほどつけてもどしたものだそうだ。女将が実際...
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