エッセイ

エリザベスとピーコ(「甘口辛口」新潟日報 2008.9.9掲載)

小学生の頃、縁日でヒヨコを買ってもらった。家の中で飼っていたのに、ネコに襲われてしまった。1羽生き残ったピーコも重傷だったが、妹が手当てをし、回復させた。 家族みんなでピーコの回復を喜んだ何週間か後、どういう理由からか、郊外に住む知り合いの...
エッセイ

またたびの酢漬け(「甘口辛口」新潟日報 2008.9.8掲載)

家族旅行のにぎやかな思い出とともに舌によみがえる味がある。「ままたびの酢漬け」の味だ。 夏か初秋の奥只見へ行ったときのことだ。ドライブインのアユの塩焼き定食に「またたびの酢漬け」が添えられていた。母がカリカリした食感を気に入っておいしいと言...
エッセイ

私の胃袋(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.15掲載)

最近、考古学の世界を垣間見る機会に恵まれた。私の住む土地で掘り出されるのは、縄文土器から昭和のガラスビンまで様々だ。 その遺物から泥を落とし形や大きさを測り、製造過程や使用時の痕跡を探し出す。地道だが、小さな仕事の集積から、ある時代の人々の...
エッセイ

スペイン人の胃袋(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.14掲載)

国立西洋美術館で「プラド美術館展」を見た。豪華な衣装の肖像画に混ざって食ベものを描いた絵がある。キツネ色に焼かれたパン、果物、狩りでしとめたカモや皮をはがれたウサギ、解体したシカなどが描かれている。食欲を刺激するために食堂にかけたのだろうか...
エッセイ

好き嫌い(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.13掲載)

思いもかけない食べものが苦手だと言われて戸惑うことがある。 その一つが「梅」だ。ある友人は梅味のものがすべてだめだそうだ。梅のガム、アメ、お茶漬けにおにぎり、和菓子。 それから甘いものがとにかく嫌いという女性もいる。女どうしが集まる時甘いお...
エッセイ

漠大海(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.12掲載)

先日、漠大海(ばくだいかい)という食べものを知った。ある店でみょうがと一緒に刺身のつまに盛られていた。珍しいので卓上の話題になり、女将に教えられた。 中国の伯樹(はくじゅ)の実を熱いほうじ茶に三十分ほどつけてもどしたものだそうだ。女将が実際...
エッセイ

優良視聴者(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.10掲載)

ほどんど家で仕事をしている。休憩時にテレビを見ながらお茶を飲み、また仕事に戻る。テレビ番組を作る側にとって、食べることは制作にしやすいのだろうか。食に関する番組の何と多いことか。ある番組ではグルメ特集で焼肉店をめぐり、次の番組でダイエット特...
エッセイ

カトリーヌの料理(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.9掲載)

カトリーヌというフランス人の友人がいる。五年間日本に住み、フランス語や英語を教えたり、夫と小旅行に出かけたりして日本を楽しんでいた。白根市のたこ合戦も見に行ったことがあるそうだ。 日本の文化に興味のある彼女は日本の食材も(もちろん箸も)使い...
エッセイ

土鍋(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.8掲載)

我が家の食器は質素だ。主婦が粗雑なので、割ってもがっかりしない値段のものばかりだ。 それなのに、一週間分の食費と同じ位の(私にとってはかなりの決心が必要な)値段の土鍋を買ってしまった。知人宅の食事会でおしゃれな食卓がうらやましくなったのだ。...
エッセイ

塩と砂糖(「甘口辛口」新潟日報 2002.5.6掲載)

三月の終わり頃、忙しい日が続いた。仕事と家のことで手一杯なのに、三日間出かけなければならなくなった。 出かける前日、三日分の食事を作り置こうと奮闘した。豚の肩ロースのかたまり肉を三分の一ずつ、カレーと肉ジャガ、チャーシューにと使い、段どりよ...
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