先日、漠大海(ばくだいかい)という食べものを知った。ある店でみょうがと一緒に刺身のつまに盛られていた。珍しいので卓上の話題になり、女将に教えられた。
中国の伯樹(はくじゅ)の実を熱いほうじ茶に三十分ほどつけてもどしたものだそうだ。女将が実際にもどして見せてくれた。乾燥した実は梅干の種のようだ。その小さな実がほうじ茶の中でゆっくりと膨らんでゆく。その様子からは杏のような実が思い起こされる。乾いた果肉がほうじ茶を吸ってふわふわの藻のようになる。不思議な食べ物だ。略して「ばくだい」とも言うそうだ。広々とした中国の大地を想像させる名だ。
他に、どの様にして食べるのだろうか。伯樹というのはどのような木だろうか。どんな花が咲くのだろうか。調べると、中国四川省のものだそうだ。
いつか、その木を訪ねてみたいと思う。