「自分を動物に例えると?」などと聞かれることがある。ほとんどの場合は「猫」と答える。
しかし本当は「のどぐろ」だと思っている。新潟の地魚で、口を開けるとのどが黒いのでそう呼ばれている。
私は普段、人当たりのいいほうだ。しかし、皮肉屋なのだ。人のやる気をそぐような、その場をしらけさせるような言葉がふと出てきてしまう。しかも、負けん気が強い。口ゲンカなどになると、言ってはいけないことまで言ってしまう。まるで、のどに嫌な言葉の発生装置があるかのように。私にもこの魚のようにのどに黒い部分があるのではないかと思ってしまう。性格が悪いと認めたくないのだ。
この魚は他県ではあまり知られていない。のどぐろと言ってもわかってもらえない。これからも私は自分のことを猫に例えるだろう。猫をかぶり、のどの黒いところを隠しながら。